4ページをお願いいたします。
これら課題への取組として、
路線バスの維持、
自主運行バス、
自家用有償旅客運送、無償(
ボランティア)運送の4つがあります。これらを後ほど、順を追って説明させていただきます。
5ページをお願いいたします。
新たな取組として3つあります。MaaSの実証実験を行っています
AIオンデマンド交通と、中
山間地MaaS、それと、現在、長田地区で行われようとしています
コミュニティバスについても、後ほど、説明いたします。
なお、現在、静岡駅北地区で行われております
定額タクシー乗り放題──タク放題については、
AIオンデマンド交通の中で、説明させていただきます。
それでは、次に、資料2に移っていただけますでしょうか。
資料2は、
移動手段確保の取組についてとなっております。
1ページをお願いいたします。
この資料2で説明する内容を4点記載してあります。
まず、交通に関する法律である
道路運送法についてお話しさせていただきます。次に、当課の移動手段の確保への取組について。それから、具体的な移動手段の施策としての
自家用有償旅客運送と無償運送について説明いたします。
3ページをお願いいたします。
道路運送法についてです。
道路運送法では、バス、タクシーのように自動車を用いて旅客から運賃を得て
移動サービスを提供する場合、国──国交省の許認可が必要です。
4ページをお願いいたします。
こちらはちょっと細かい図になるんですけれども、
道路運送法の旅客運送について、体系的に示したものとなります。自動車による輸送には、大きく分けて事業用、いわゆる
緑ナンバーと、自家用、いわゆる
白ナンバーがございます。事業として運行する場合には、基本的には、
道路運送法第4条による許可が必要となります。上の赤い四角で囲まれた部分は、利用者を限定しない運行方法で、
しずてつジャストライン等が運行する
路線バスや、市の
自主運行バスの由比・
蒲原病院線等が該当してまいります。
次に、自家用で運送する場合ですが、黄色の枠内、
道路運送法第79条による登録が必要となります。その中で、市町村やNPO等が運行する
交通空白地有償運送と、
福祉有償運送に分かれます。
交通政策課が関係する
交通空白地有償運送は、市が運行する井川バス、ココバス、NPOが運行する清沢地区での
フロンティア清沢が該当します。また、
福祉有償運送として、市内5団体が該当します。この
自家用運送は、いわゆる白タクと呼ばれるものになります。白タクは、本来であれば、
道路運送法の中での禁止行為となりますが、例外的に認められる事項として、ここに記載されています。
最後に、一番下になりますが、自家用車で無償運送を行う場合は、法の
規制対象外となっております。後で説明する
地域交通弱者対策事業はここに該当します。
5ページをお願いいたします。
5ページは、先ほど、説明した体系図を一覧表で表したものになります。上の2段が
道路運送法第4条での
路線バスで、1段目は
ジャストライン等が運営している
路線バス、2段目は、市が事業主体となっており、
バス事業者が運行を行っているもの。3、4、5段目が
道路運送法第79条による
自家用有償運送で、3段目は井川や両河内で行っている
自主運行バス、4段目は清沢地区で行われている
交通空白地有償運送、5段目は
福祉有償運送、6段目は無償で行われております
地域交通弱者対策事業となっています。
6ページをお願いいたします。
交通政策課の取組について、簡単に説明させていただきます。
7ページを御覧ください。
市内のバス路線の状況について、簡単にお話しさせていただきます。
市内をくまなく運行している
バス路線網を維持するために、様々な取組を行っておりまして、資料に記載のとおり、市内のバス路線は、
しずてつジャストラインなどの
バス事業者で運行している路線のほかに、市が運行している
自主運行バスや、
交通空白地有償運送など、様々な方法で、住民の移動手段の確保を行っております。
8ページをお願いいたします。
このページは、市内の
バス路線図を掲載しておりまして、色のついた線で示した路線は、
自主運行バスを除いた、市の補助金などが投入されている路線となります。主に、郊外部から山間部にかけての路線に対して市の補助を行っていますが、市街地に近い路線についても、補助している路線がございます。
9ページをお願いいたします。
続いて、
自家用有償旅客運送についてです。
10ページをお願いいたします。
自家用有償旅客運送とは、バス・
タクシー事業が成り立たない場合であって、地域における輸送手段の確保が必要な場合に、必要な安全上の措置を取った上で、市町村や
NPO法人等が自家用車を用いて提供する
運送サービスとなっており、旅客から収受する対価は実費の範囲内となっております。
種類は2つありまして、
交通空白地有償運送と
福祉有償運送となります。
11ページをお願いいたします。
自家用有償旅客運送を実施する流れとしては、まず、地域における関係者の協議として、
自家用有償旅客運送の必要性、区域、運賃などの必要事項を静岡市
地域公共交通会議、もしくは静岡市
自家用有償旅客運送運営協議会に諮り、承認された後に
道路運送法の登録を行うこととなります。
12ページをお願いいたします。
地域公共交通会議や
運営協議会で協議する内容は、バス、
タクシー等、既存の
公共交通機関で住民等のニーズを満たせないのかという必要性、バス・
タクシー事業者による
輸送サービスが困難であること、運行管理や車両の整備管理、事故処理などの体制が確保され、安全性が確保されているのか、また、運送の区域は妥当か、運賃は妥当かを協議することとなります。
13ページをお願いいたします。
交通空白地有償運送の概要表となります。
目的は、バス・
タクシー事業者の
サービス提供が困難な地域において、住民等が外出するために必要な移動手段の確保となっております。実施主体は、市町村や
NPO法人です。運行区域は、
地域公共交通会議等で協議が調った路線または区域となっており、
交通空白地であることが前提となっております。運転者は、2種
運転免許保有者または1種
免許保有者で、講習を受講した者となっております。
14ページをお願いいたします。
こちらは、
交通空白地有償運送の一覧表となります。上段は
自主運行バスとなっておりまして、井川と両河内の2つが該当し、下段は
地域主体運行で、清沢地区で行われております
NPO法人フロンティア清沢が運営する
やまびこ号となっております。概要は記載のとおりでございます。
15ページをお願いいたします。
井川地区自主運行バスの概要となります。詳細な説明は省かせていただきますけれども、
ジャストラインの
路線バス撤退に伴って、平成20年から開始されているものでございます。
16ページをお願いいたします。
こちらは、両
河内地区自主運行バス、
通称ココバスの概要です。こちらも
ジャストライン撤退により、平成30年から開始されたものでございます。
17ページをお願いいたします。
こちらは、
フロンティア清沢による
やまびこ号の概要となります。こちらは、
路線バスの撤退とは別で、平成18年から運行を開始し、主体はNPOになっております。区域は、
路線バスの最終地点の久能尾から奥の区域になります。運行方式は
会員登録制の
事前予約運行で、車両は7人乗り1台で行っております。
18ページをお願いいたします。
この18ページと次の19ページについては、
福祉有償運送になります。こちらは後ほど、
福祉総務課から説明してもらいます。
20ページをお願いいたします。
自家用有償旅客運送の課題ですけれども、制度上の課題といたしましては、
道路運送法の登録や
法定協議会の承認が必要であること、それと、ここがポイントなんですが、
交通空白地であること、また、区域や運賃について、
交通事業者との調整が必要ということで、登録までの各種手続・調整に時間がかかります。
また、運営上の課題といたしましては、運行管理や車両管理の人材確保、ドライバーの確保と安全教育、制度上、営利目的とならないようにすることとなっており、継続して運営していける
体制づくりが必要となってまいります。
21ページをお願いいたします。
無償(
ボランティア)運送についての説明になります。
22ページをお願いいたします。
こちらは、無償運送で行っている
地域交通弱者対策事業のイメージ図になります。対象地域は、
路線バス等の
公共交通の乗降場まで距離がある、あるいは高低差がある、
路線バスの運行本数が少ないなどの
交通不便地域がある
自治会連合会の地域が対象となります。
事業内容は、地域の高齢者、障害者など、交通弱者の移動の足を確保する事業に取り組む組織に対して、運送に対する費用を補助する事業となります。地域で運営する車両も用い、地域内の主要施設に行ったり、最寄りの駅、またはバス停に接続することで、移動の足を確保するとともに、
公共交通、
路線バス利用者の増加に効果があるものと考えております。
23ページをお願いいたします。
対象者としては、
自治会連合会や
社会福祉協議会、
NPO団体です。
地元住民の主体的な取組に対し、市が支援することで、地域の実情に応じた利便性の高い運行と
運行維持費の低減が可能となります。
24ページをお願いいたします。
こちらは、補助率の表になります。事業がスタートした28年度は黒色の数字になりまして、2~3年目から補助率が減っていくものでしたが、令和2年に改正し、現在は赤色の数字で行っております。3年目の試行期間までは
車両リースに関する経費、運行に関する経費ともに100%を補助しております。事業が軌道に乗ることが分かり、本格実施となる4年目は、
車両購入費用の75%、運行経費も、以降は75%を補助しております。
25ページをお願いいたします。
5地区で行っている
地域交通弱者対策事業の一覧表となります。地区としては、駒越、長田西、有度、飯田、東豊田で、主体は地区社協や自治連などとなっております。
26ページをお願いいたします。
26ページ以降は、これら5地区の運行経路や時刻表、利用状況を掲載したものでありますので、後ほど、参考として御覧ください。
それでは、31ページをお願いいたします。資料2の
最終ページになります。
地域交通弱者対策事業の課題です。制度上の課題といたしましては、
交通政策課で担っている点ということで、そもそもの目的が最寄りの
交通結節点への移動支援であること、また、運行範囲が
連合自治会の区域内に限られることから、地域の
移動ニーズに合った運行経路の設定が困難な場合があります。
運営上の課題としては、先ほどの
自家用有償旅客運送と同様、継続して運営していける
体制づくり、それと資金調達が必要となることです。
以上が資料2の説明となります。
続いて、資料3をお願いいたします。
新たな取組を説明させていただきます。
1ページをお願いいたします。
まず、
静岡型MaaS実証実験について、2つ説明させていただきます。
2ページをお願いいたします。
令和元年度、2年度の
AIオンデマンド交通実証実験について掲載してあります。令和元年度は静岡駅以北地区で、2年度は草薙地区と庵原地区でAIを使った
乗合サービスを行っております。それぞれの概要は右表のとおりで、料金体系や予約方法、
決済方法等が異なっております。
3ページをお願いいたします。
令和3年度の実証実験は、
福祉MaaSとして、静岡駅南地区と清水区の
岡船越地区で行っております。
社会福祉協議会と連携し、65歳以上の高齢者を対象に、AIを使った
オンデマンド予約制の
乗合サービスを行っております。
この実験の特徴といたしまして、右側の図に示してある4つの
乗降パターンを設定いたしまして、それぞれで金額を変え、利用者のニーズ、利用状況を把握しました。その実験の結果が次のページになります。
結果を右下に文章でまとめてあります。利用者の年齢は80代が最も多く、次いで70代となっておりました。運転免許を保有していない人、一人暮らし、夫婦だけの世帯の人、バス停まで遠い距離に住んでいる人の利用がやはり多かったです。
それから、通院が約5割、買物が約4割で、これらのニーズが圧倒的に多かったです。
また、継続的に利用できることで外出回数が増えると回答した人が利用者の約6割程度いるという結果になっておりました。
5ページをお願いいたします。
こちらは、現在、
民間事業者が静岡駅北地区で取り組んでおります
エリア内月額定額タクシー乗り放題サービスについての説明となります。
このサービスは、MaaSの技術会員である
一般社団法人静岡TaaSがMaaSの実証実験で積み重ねてきた
AIシステムや
事業スキームを取り入れて行っているものです。65歳以上の方であれば、ここにも記載のとおり、月額8,000円で、65歳未満の方であれば1万円で地図のエリア内でタクシーが乗り放題になります。利用時間は平日の10時から17時までとなっておりまして、
通常タクシーへの配慮から、
通常タクシーの利用が多い時間帯を外した設定となっております。
利用状況としては、10月末までに会員登録した総数が約70名、配車回数は徐々に増加しておりまして、10月は約880回の利用があったと伺っております。
このタク放題は民間で行っておりますが、1月からは、そこに
MaaSコンソーシアムとしての
付随サービスを追加し、実験を予定しております。その概要は次の6ページとなります。
違いといたしましては、実施概要の内容欄に記載のとおり、現在のタク放題は継続実施される中で、
AIオンデマンド交通による
乗合サービスを同時に実験するものです。利用料金も異なってくるんですけれども、金額は今、最終調整中のため、記載してございませんが、75歳以上または
免許返納者であれば月額5,500円、65歳以上または
子育て世代であれば月額6,500円、65歳未満であれば8,000円を予定しておりまして、乗り合いでもいいよという方は、料金をお安くしますという内容になっております。
この実験の目的は、将来的に
タクシー運転手が減少していくと予想される中で、料金設定を安くすることで、
乗合サービスがどの程度受入れられるのか、検証するものでございます。
7ページをお願いいたします。
こちらは、昨年度、中山間地で実施しました
MaaS実証実験の説明となります。場所は葵区の玉川地区で、この地区は
路線バスの便数が少なく、高齢者が買物や通院で市街地に行くのに不便を来たしているということで、概要に記載のとおり、地域住民を運転手とした
AIオンデマンド運行を行いました。
右下に
曜日別ダイヤが記載してありますが、月・木・金は地区内の移動に限りましたが、火曜日は買物支援ということで、市街地の商業施設まで運行しています。また、水曜日には、
遠隔買物体験といったものを実施しています。この
遠隔買物体験は、中山間地の高齢者が、わざわざ市街地まで出て来なくても、生活を維持する方法を検証する目的で、中
山間地振興課と協力しながら行っており、
交通政策課としては、AIの技術を活用することで、中山間地の人たちの移動がある程度地区内で完結できれば、
路線バスの効率化にもつながりますし、逆に、
地区内移動を充実させることができるのではないかということで、実施しております。この実験の結果は次の8ページに記載しております。
曜日別の利用人数では、火曜日の買物支援と、水曜日の
遠隔買物体験の日に利用が集中しておりました。また、
遠隔買物体験の結果では、直接、商品を見て買物をしたいという意見が多くございました。また、ここには記載してありませんけれども、住民の方々が買物を通して集まることで、地区内のコミュニケーションが図られるよい機会になったという意見も多くありました。
この結果を踏まえまして、次の9ページに今年度の実験の概要を示してあります。今年度は、もう既に11月から葵区の
梅ケ島地区と
大河内地区で実験を行っております。3年度の実験で意見のありました、買物は商品を実際に手に取って見たい、また住民が集まり会話できる場が楽しいという意見を基に、今年度も、中
山間地振興課と協力しながら、地区内の六郎木、真富士の里に拠点を設けまして、
移動販売車や
キッチンカー、
移動金融車を集めるというものになっております。
交通政策課としては、その拠点までの移動手段を、
路線バスと異なる形で設け、新たな
移動サービスの課題の洗い出しを行いたいと考えております。具体的には、6人乗りのワンボックタイプの車両を地元住民に運転手として担ってもらい、小さい車両での移動力を生かしながら、
路線バスが走る県道よりも枝の市道まで入っていき、さらに停留所も細かく設けております。住民の皆さんが乗りやすいような、利用しやすいような工夫をしております。この実験を通して、中山間地域の高齢者の移動の方法の最適化といったところを探っていきたいと考えております。
10ページをお願いいたします。
また別の話になりますけれども、長田地区で行われようとしています
長田地区コミュニティバスについて説明させていただきます。
11ページをお願いいたします。
現在、長田地区では、
路線バスが3路線走っていますが、いずれも幹線道路を走り、静岡駅や
中心市街地に向かっていく形です。そのような中、目的にも記載のとおり、地域の高齢者や住民の
利便性向上、
公共交通不便地域の解消を目指し、地元が地元のバス会社とタッグを組んで、
コミュニティバスを走らせようとするものでございます。
静岡市
地域公共交通網形成計画では、お茶っ葉型の
交通網計画といったものがございまして、主脈として鉄道があり、各鉄道駅から派生する側脈をバスが担うという考えがございます。今回の
長田地区コミュニティバスは、地図内の縦方向の鉄道や既存の
路線バスに対し、横軸で運行し、用宗駅や安倍川駅に路線の起終点を設ける形となっておりまして、市で考えておりますお茶っ葉型の計画に合う形になっております。
また、小さいバスを利用することで、ある程度細い道まで入っていけるので、住宅地や日常的な利用頻度の高い地区内の個人病院、それから、金融機関、
スーパー等に停留所を設け、高齢者と利用者の利便性を高めようと考えられております。
この
長田地区コミュニティバスは、現在、試験運行に向け、準備、調整中ということですけれども、運行が開始された際は、我々としても、利用状況や住民の方々の感想、意見を把握していきたいと考えております。
4
◯西島福祉総務課長 当課からは、資料2の中の
福祉有償運送について御説明いたします。
恐れ入りますが、資料2にお戻りいただきまして、18ページをお願いいたします。
こちらは、
福祉有償運送の概要表でございます。
表の1段目の目的と、それから4段目の運送する旅客の範囲のところを併せて御覧ください。
福祉有償運送は、他人の介助によらずに移動することが困難であると認められ、単独では
タクシー等の
公共交通機関を利用することができない
身体障害者等が外出するための移動手段の確保を目的としています。先ほど、説明のありました
交通空白地有償運送と異なる点でございますけれども、輸送を行う対象者を限定して、会員として登録し、原則、自宅から
デイサービス事業者までなど、外出の目的地までドア・ツー・ドアの個別輸送を行うこと、あるいは、寝台車ですとか、
回転シート車の車椅子など、専用車両でない
セダンタイプの車の使用の場合は、運転者やその他乗務員が
訪問介護員の要件を備えている必要があることなどが挙げられてございます。
その他の項目につきましては、
交通空白地有償運送とほぼ同様となってございます。
19ページをお願いいたします。
こちらは、現在、本市の市域内で
福祉有償運送の登録のある5事業者になります。
NPO法人が4法人、
社会福祉法人が1法人の5法人が登録されております。
5
◯繁田地域包括ケア推進本部次長 私からは資料5について説明させていただきます。
地域包括ケア推進本部が把握しております、
地域住民主体の
ボランティアによる移動支援の活動を一覧にしたものでございます。
上の2つだけ説明させていただきます。
一番上の
北沼上地区では、
社会福祉法人の天心会さんが、地域貢献活動として、公共バスが運行していない地区を巡回して、その沿線で手を挙げた方に対し、買物などの外出のサポートをしているというものでございます。
2段目の足久保地区では、
社会福祉法人の楽寿会さんから提供していただいている車両と、地域の
ボランティアの皆さんの車両で、自宅からスーパー、薬局の間を送迎しているという活動でございます。
以下は記載のとおりでございますけれども、当本部では、介護保険制度の生活支援体制整備事業という事業を活用いたしまして、平成30年度から、市内に30あります日常生活圏域に生活支援コーディネーターを配置しまして、地域での支え合いのコーディネートのお手伝いをさせていただいているところです。これによりまして、高齢者の困りごとへの対応や介護予防に向けた地域での支え合い活動を促進しております。
6 ◯井上(智)委員長 ただいまの説明に対し、質問等がありましたらお願いします。
なお、資料の番号とページ数を言っていただいて、皆様が開くまで少しお待ちいただいてから、質問をお願いします。
7 ◯稲葉委員 資料2の24ページ、無償(
ボランティア)運送についてです。
補助対象経費ということで、4年目から自己負担が発生するということなんですけれども、まず、この運営されている団体の中で、4年目に入っている団体があるかどうかをお聞かせいただきたいです。
8
◯杉村交通政策課長 4年目に入っているところはございまして、次の25ページに一覧表がございますが、上の2つ、駒越と長田西は平成28年から行っているので、これら2つは4年以上ということで、本格実施になっております。
9 ◯稲葉委員 駒越と長田西が4年以上ということで、ここが残りの25%をどうやって賄っているのかというのをお聞かせいただけますでしょうか。
10
◯杉村交通政策課長 駒越については地区社協さん、長田西についてはまちづくり協議会さんが事業主体になっております。その中で、駒越の社協さんについては、自分たちで、赤い羽根共同募金などのお金を充てていたり、長田西のまちづくり協議会さんについては、いろんな方がいらっしゃるので、その協議会の会費といったものを、この事業費に充てていると伺っております。
11 ◯大村委員 これについては、私も6~7年前、10年ぐらい前に提案させてもらったんです、自民党提案として。それで、1年目は100%、2年目は75%、3年目は50%、そういう形でいきましょうと。その足りないお金はどうするのかといったら、
交通政策課長が言われたように、最初は、駒越が赤い羽根共同募金でバスを県から買ったんですよ。その分は1つの財産になってしまったと。3年経つと車検とかあるでしょう。そういうのを払えなくなってしまって、お手上げになって、こういう制度を考えたんですよ。その中で、25%ダウンと来たんだけれども、じゃ、この25%はどうするかということ。これは自分たち、地域で努力しなさいと。うちの飯田もやっているんだけれども、これはどこへ連れていくかというと、買物に連れていくわけです。スーパーとかそういうところに。だから、そういう地元のスーパーとかにどんどん行って、お客を連れてくるから、お金を出せと、あんたたちもスポンサーになって、1万円でも2万円でもいいから出せと。そういう形で25%をつないでいこうとやって、軌道に乗っていけばお互いにメリットがある、ウィン・ウィンの関係になると。そこら辺はなかなか難しい部分があって、市では、取りあえず3年間は100%、100%、100%、こういうふうに面倒を見ていると。そんな形で今、動いていると思うんですね。これからだと思うんです。ただ、これはまだ5地区でしかやっていないので、もう少し増やしてもらえるとありがたいなと、そんな感じですね。いいですか、それで。
12 ◯稲葉委員 ありがとうございました。
要は、そこなんですよね。続けていくというのもあるし、ちょっとお聞きした話ですけど、乗る側も、いろんな方から頂いているお金でやっているので、忍びないと。だから、できれば払いたいみたいな。払っちゃうと駄目なんだけれども、それくらいの気持ちで利用している方もいるよとお聞きしたものですから、例えば自治会費が充てられているとかだと、すごく心苦しくなっちゃうのかなというのを感じました。
13 ◯大村委員 そういうこともあるんですよ。だけど、それはお金を取っちゃいけないんです。お金を取っちゃうと違反になっちゃうので、まず無料というのが大前提なんですね。あくまでも
ボランティアなので、当然、そこに、地域でちょっと違うだろうけれども、飯田地域の場合は、
社会福祉協議会もあるので、そこら辺から補填している、そういうところもある。だから、地域がそうやって、市にあまり頼らない。頼っていくと、こういうのは続かないので、これは生きていくために、高齢者の方が生き生きとそこで過ごして、買物もできると。
それで、もう少し突っ込んで言うと、自分たちでバス停をつくるわけですよ。今、
しずてつジャストラインがほとんどでしょう。
しずてつジャストラインがつくっているバス停以外の所につくるところもあるんですよ。例えば、清水病院へ行きたいというと、飯田地区辺りでいくと、どこかのバス停に行くと、必ず清水病院に行けるバスがあるんですよ。だから、それは入れなさいよと。そうすると、清水病院へ行きたいというと、そこまで連れていって、そこからは自分のお金で清水病院に行きなさい、清水駅に行きなさいという、そういった形になっているので、非常に面白いんですけれども、当然、問題や課題もあるから、こんなに少ないんでしょうね。本来なら、もっともっと、押すな押すなで来ているのかなと。
それで、さっき、最後に説明してくれた
地域包括ケア推進本部の事業がちょっと似ているような感じがするんだけれども、それとこれはどう違うのかというのがちょっと分からないんですが、もし、そこら辺が分かったら、そこだけちょっと……。取っちゃってごめんね。もういい、まだやる。(「大丈夫です」)取っちゃってごめん、そこだけ教えてよ。
14
◯繁田地域包括ケア推進本部次長 幾つか違いがあるんですが、大きな違いというのは、この
地域交通弱者対策事業の補助金は、バス停まで送迎する、
公共交通機関まで送迎するというところが大きな違いです。なので、地域の支え合いのほうは、その辺の制約がないというところ。ただ、地域の支え合いのほうは、我々の補助金とかが入っておりません。
社会福祉法人さんの支援であったり、NPOさんの支援であるとか、地区社協への助成金など、そういったところで運営されているところです。
15 ◯大村委員 全く違う観点ですけれども、昨日、ある人から言われたんですが、今、清水から静岡県立病院に行く人たちが結構多いんですよ。それで、私も乗るときはほとんどしずてつタクシーなんだけど、しずてつタクシーの運転手さんに、この頃、コロナとかで、月曜日から金曜日は暇でしようがないでしょうと言うと、いやそんなことはないです、うちはいつも満杯だよと。どこ行くのと言ったら、県総ばっかりだよ、みんな清水から県総に行っているよと。そうですかという形で聞いて、そこで終わっちゃうんだけれども、やっぱり金持ちの人、ある程度、金を持っている人はタクシーを使ってもいいんだけれども、金のない人たちは、やっぱりなかなかタクシーで県総までは行けないわけですよ。じゃ、どうしたらいいのと聞いたら、できたら、例えば清水の場合は、1か所でも2か所でもいいんだけれども、清水駅から直接、県総まで乗り入れるバスを出してくれないかなと。それを言われたんだけれども、そんな形というのは考えることができるんですか。
16
◯杉村交通政策課長 正直言って、かなり難しいと思います。それこそ
路線バスということであれば、今、主に動いているところは
しずてつジャストラインさんなので、そことお話しすることにはなると思うんですけれども、今、
バス事業者さんも、運転手さんを確保するのにかなり御苦労されております。昨年度のこの
総合交通政策特別委員会でも話があったと思うんですけれども、なかなか若い人たちが運転手になってくれない。その一方で、定年になった方々は退職されるということで、運転手さんの確保にかなり御苦労されているということで、新しい路線を入れていくというのは、かなりきついんじゃないかなという実感を持っています。
現状、バス路線はかなりあるんですけれども、そこを維持するのもなかなか大変になってきているという実情を聞きますので、ちょっと大変だとは思っています。
17 ◯大村委員 しずてつ、しずてつと言うんだけど、しずてつの場合は、多分、バスは結構余っているんじゃないの、今。運転手がいない。小さいバスもないんだ。
18
◯杉村交通政策課長 そうですね。手持ちのバスというんですか、小さいバスはあまり持っていないみたいなんですよね。よく自分たちも、大きい車両が今、走っている中で、市民の方から、そんなにお客さんが乗っていないので、もっと小さいバスにしたらみたいな御意見も市民の声とかでいただいたり、そういったところをお話しするんですけれども、それはそれで新しいバスを買おうとすると、設備投資というところで、今、ちょうどコロナ等で経営的にも苦しいというところもあるようで、小さいバスにしろ、なかなかそこに投資できないという実情はあるようです。
19 ◯大村委員 さっきの話に戻るんですけど、乗る人が多ければ、例えば1日に3本とか4本とか、朝2本、帰りが2本ぐらいとか、そういう形でも無理なんだ。
しずてつジャストラインに頼むと、やっぱり全てそういう形で来るわけよ。もうからないから話に乗りませんよと。だから、私がこれを提案したときも、
しずてつジャストラインを呼んでいたんですよ。呼んで話をしたら、いや、それはちょっともうからないからと。もういいです、もう帰ってくださいと、あなた方がいたらこれは進まないと、帰しちゃいました、私。それで、3か月でできちゃったんです、これ。それで、すぐ予算をつけて、事業が始まっちゃったから、やろうと思えばできちゃうんですよ。だから、そういう、特に病気にかかる人、県総に行く人ですから、非常に重い病気の方もいるので、できれば、草薙からとか、静岡もどこかあるでしょう。清水から直接、行ってやるぐらいの、そういう思いやりのある福祉というか、そういうのは、やっぱりちょっと別に考えてくれるとありがたい。駄目だ駄目だで、向こうの言いなりになるんじゃなくて、どうしたらできるのか、
しずてつジャストライン関係なしにどうやったらできるのかと。それだったらセイシン観光バスとかいいじゃないですか。競輪のバスだってそうですよ。今までずっと、競輪が開いているとき、
しずてつジャストラインがバスを全部出していた。今、それを取られちゃったわけ、
しずてつジャストラインは。それもセイシン観光バスというのが取ったんですよ。それはなぜかと。もちろん、安いからですよ。だけど、車を出しているんですよ、どんどん。こんなの、セイシン観光バスとかほかのところだったらやりますよ。どうしても、頭の中に
しずてつジャストラインがあって、強気に出てきちゃっているから、そうではなくて、こういうのを何かで、バス会社、日本平自動車とかでいいから、入札かけて、清水駅から県総までやるけど、どうだということで、入札かけたら、今、あなた方が考えているようなことは、僕はないと思う。
そうやって、市民が何を望んでいるのかをつかんだときに、やっぱりそれをかなえてやるのが、あなた方ですよ。だから、いいことをやれとか、そういうのじゃなくて、そういうものの積み重ねが、やっぱり静岡市の評判がよくなる、本当に優しいまちなんだな、高齢者とかに優しいまちなんだなという、そういうところにつながっていくんですよね。だから、この
総合交通政策特別委員会をやってもう何年かたつでしょう。それから見ると、皆さんすごく頑張っているので、いろんなことがこうやって出てきた。これはすごくいいことなんだけど、なんか苦しいというか、本当はそうじゃなくて、もう少し違ったやり方で、静岡というのは、本当に優しいまちだなという、そういうのを出していただけるとありがたいなと。だから、駄目だなんていう
答弁はもう聞きたくない。
20 ◯栗田委員 ちょっと参考までに伺いたいんですけども、資料2の7ページにバス路線維持のための補助額が出ていますけれども、下のところに、バス路線維持経費、年間約4.7億円と書いてありますけど、これは、例えば過去5年間の経費というのはどんなふうになっているのか。同額か、それとも上下があるのかどうか、それだけ教えてほしいです。
21
◯杉村交通政策課長 委員がおっしゃるように、この金額というのは、徐々にではありますけれども、年々、増加傾向にあります。
22 ◯栗田委員 参考までに、過去数年間の金額が分かれば、言ってほしいんですけど。
23
◯杉村交通政策課長 令和3年度が約4億7,000万円で、2年度が約4億4,300万円、元年度が約4億3,400万円で、徐々に上がっているという傾向です。
24 ◯栗田委員 金額が少しずつ増えているということですけど、この一番の理由というのは何ですか。
25
◯杉村交通政策課長 これは2つあって、1つは経費の関係、人件費であるとか、今ですと、ガソリン代とかいろいろあると思うんですけれども、そういった経費の関係です。もう1つは、収入の関係で、やはり利用客が少なくなれば、運賃収入が少なくなり、その分、欠損額が増えるということで、その両方の面があると思います。
26 ◯栗田委員 それともう1つ、
路線バスの補助額が3億6,596万6,000円と書いてありますけど、これは、査定というか、この金額を出すのに大体どんな内訳というか、この数字を出すための根拠が分かれば。ただ、これだけ出しているというんじゃなくて、どんなふうにしているか、参考のために教えてもらいたいと思います。
27
◯杉村交通政策課長 当課で年2回、バスの乗降調査といったものを行っておりまして、そこでおおむねの乗降客数を把握し、運賃収入を計算しております。それと、事業者さんから出てきた資料で、営業の距離に1キロ当たりの経費をかけて算出した経費との差を欠損額ということで計算しまして、それを補助しているという形になっております。
28 ◯栗田委員 分かりました。
バスも、利用者、一般市民から見たら、大変大切な交通手段なので、それを廃止するというか、減るということは、やっぱり利用者から見ると、残念に思うんだけれども、こうして補助金を出して、支えていくということは、ある程度理解できます。大切な税金でありますので、会社のほうの工夫とか、そういったものも考えてもらいたいという要望も、またしておいてもらえるとありがたいなと思います。
29 ◯松谷委員 資料3の5ページのTaaSについてです。
さっきのお話で、
通常タクシーの繋忙時間を外してやっているということだったんですけど、この実情というんですか、ニーズ確認と事業採算性が合うかどうかと書いてあるんですが、まだ始まって時間もたっていないんですけど、その辺の課題というのは、どうなっているか、教えてもらえますか。
30
◯杉村交通政策課長 タクシーの乗り放題サービスなんですけど、今、実施中ではあるんですが、課題としましては、当初、思っていたより会員数が伸びてこないという現状はあるようです。会員数が伸びてこないと、やはり収入が見込めないので、その事業の継続性というんですか、そこら辺は課題が残ってくるのかなと。ですから、今後は、事業者さんのほうでも言われているのは、いろいろな広報をして、何とかお客さんを増やしていきたいといったところは考えていると伺っております。
31 ◯松谷委員 これは本当に広がるといいなと思います。
この事業採算性というか、月額8,000円が高いから来ないのか、宣伝が行き届いていないからなのか、タクシー会社として、この8,000円は、事業採算性を当初、見込んだ中で、かなり安くしていたのか、その辺の採算性がどの程度なのか、もし分かっていれば、教えてください。
32
◯杉村交通政策課長 事業採算性ですけれども、恐らく、これ以上高い金額だと、お客さんが集まってこないんだろうなと思うんですよね。毎日、タクシーに乗られる方はそう多くはないので、自分が月に何回乗るんだろうと考えていくと、これより高い金額だとお客さんは集まりにくいのかなと。逆に、お客さんの数がもっと増えてくれば、事業の採算性が取れてくると思うんですよね。一般市民の中で、タクシーの利用頻度が高い方は、もしかしたら、この値段でも安いと感じられるのかもしれないんですけども、たまにしか利用されない方だと、やっぱりその都度払うほうがいいと感じられる方も多いと思うんですよね。ですから、静岡市内でのタクシーに対する利用の意識というんですか、東京みたいに、すぐに利用するみたいなところであればまた違うのかもしれないんですけれども、そこら辺のタクシーの利用に対する意識がどの程度かというところが、今後の事業の継続性だとか、採算性というところにも関わってくるのかなと思います。
33 ◯松谷委員 さっき、10月は880回ということで、私も、この採算性というのは、どういうふうにやっているのかはちょっと分からないんですけど、これ多分、複数のタクシーですよね。それで、AIで調整してやるということだと思うんですけど、高過ぎたら、ふだん、タクシーを使っていない人からすると使いにくいというのと、タクシー会社からしたらどの程度、8,000円というのをどういう形で計算して決めたのかというか、880回利用された方々について、ほかのいろんな形の無償とか有償とかの場合、結構アンケートを取って、年代とかも想定したりしているじゃないですか。これは始まったばかりなんですけど、その辺のところがもうちょっと分かる形で、タクシー会社側が考えている構想をちょっと知りたいんですけどね。これは可能性があるのかないのか、ちょっとそこがよく分からないものですから。
34
◯杉村交通政策課長 今のお話なんですけども、これは民間のサービスでやっている事業なので、8,000円だとか1万円という値付けに関しては、我々が口を出せる範囲でもないですし、その中身がどうかというのも、ちょっとうちのほうでは言える立場ではないので、そこは、すみません、ちょっとお答えできません。
アンケートですけれども、今はまだ取られていないということなんですが、今後、当課もこれに上乗せしていろんな実験をやっていくという中で、アンケートなども取れますので、そこら辺はまた検証していきたいと思っています。
35 ◯杉山交通政策・MaaS担当部長 若干補足させてください。
今年度の他都市の事例なんですけど、東京の渋谷区で、mobiという
交通サービス、月額5,000円のサブスクで、21条運行といって、試験運行をやっていました。それが、交通会議の中で料金が安過ぎると言われ、実験の継続を拒否されたという事例がございます。この地域も、通常の
タクシー事業者さんがおりますので、そうした方々とのもろもろの調整があるものですから、値付けといったところはかなり慎重な配慮が必要になってくるのかなと思っております。
36 ◯松谷委員 分かりました。
何で今、それを聞かせていただいたかというと、資料3の6ページに、この駅北と同じ範囲で、
AIオンデマンド交通実験を計画しているとあるものだから、この計画は、さっきの説明でいくと、5,500円、6,500円、8,000円ということでしたよね。だもんだから、民間でやっているそのことと、これとの関係が分からないので、最初にまず聞いたんだけど。同じ範囲でやる意味と、これを今、打ち出している目的は何なのか、教えてください。
37
◯杉村交通政策課長 そこの違いというか、目的は、次の実験では、
乗合サービスをやってみたいと思っています。先ほどもちょっとお話ししたように、
タクシー事業者さんも、運転手不足というのは、現在もありますし、この先も懸念されるという中で、
乗合サービスができれば、事業者さんとしても効率的に人を運べる。お客さんにしても、ちょっと安い値段でタクシーに乗れるということで、相乗りに対する需要が、例えばお金がどの程度安くなったら人が流れてきてくれるのか、そういったところをこういった実験で検証していきたいということで、次の実験をやろうと思っています。
38 ◯松谷委員 目的は分かったんですけど、同じ地域で、片やタク放題という形でやっていて、でも、きっと、相乗りもタクシーを利用するんですよね。その辺の関係というのは、どういう関係になってくるのかがちょっと分からない、目的は分かったんだけどね。そうすると、今まで8,000円払って利用している人が、10月だと880回利用したという中で、今度、相乗りというのが始まると、その層とは違う人たちが入ってくるとか、それに慣れて、またタク放題に入ってくる人が増えるとか、そこはどういう関係なんですか。
39
◯杉村交通政策課長 関係性ということでいきますと、今、おっしゃったように、例えば、乗り放題サービスに加入されていて、8,000円、1万円払っている方が、安くなるんだったら相乗りでもいいよといって、そっちに流れるものなのか、逆に、やっぱり相乗りは嫌で、多少高くても、そっちがいいという需要もあるでしょう。我々としては、今の値付けでは高いと感じていても、相乗りで安く乗れるんだったら、そっちがいいかなということで、乗っていただける新規の顧客がどれ程いるのかなと、そういった両方のところを見極めていきたいということになります。
40 ◯松谷委員 すごくチャレンジというか、同じエリアで2つの手法が紛れているということだから、もうちょっと見てみたいというか、期待したいという気持ちも当然、あるし、関心も湧きます。
あと、もう1つは、結局、MaaSの場合には、支払いは現金じゃなくて、スマホとかでやっていくというところはどんな感じなのか。例えば、8,000円のところは、まだ現金なのかな、どうなっているのか。そういう支払方法をもっと簡便にするというんですか、そういうことはどこまで議論しているのかなと、それもちょっと知りたいところです。
41
◯杉村交通政策課長 料金に関しましては、現状もそうなんですけれども、最初に会員登録をしていただいて、クレジット決済になっているものですから、それを最初に設定していただくと、月の始めとかにお金が引き落とされます。ですから、現状でいくと、乗ったときには、その都度、現金にしろ、何かしらにしろ、払うことはないということになります。
次の実験でも、基本的には、月額サービスは事前のクレジット決済でやっていくことになります。
ただ、もう1つ、先ほどもちょっとお話しさせていただいたんですけど、相乗りのお客さんを増やしていきたいというところもあるものですから、乗ったときに、都度払いという格好で、現金払いも受け付けるということにはしています。そこの部分に関しては、通常と同じように、現金でいただくといったところで考えております。
42 ◯寺尾委員 先ほど、
地域交通弱者対策事業について報告いただいたわけですけども、東豊田の地域が9月から始めて、今、2か月ということで、本当に皆さんに様々な御支援、御協力をいただいたということで、地元の皆さんも大変喜んでおります。
今、始まったばかりで、地域の皆さんの運転手も、14名参加していただいたということで、実は、女性の方もたくさんいらっしゃいます。皆さんの生きがいみたいなものにも結びついているということで、事業としては非常にいい事業だなと思っています。
そこで、今、1つ声が出ていますのは、先ほどもちょっと話があったんですけれども、4年目以降どうするかというのが、率直に言って、心配の声が出ています。この辺はもうちょっと何とかならないかと。今、事業を進めている皆さん、地区社協が中心になってやっておりますが、もちろん自助努力というのもやっていかなきゃいかんと我々も思っているんですけれども、その辺の今後の見込みをお話ししてもらえるとありがたいですが、どうでしょうか。
43
◯杉村交通政策課長 見込みということですと、なかなかお答えしにくいんですが、先ほども、補助率のお話をさせていただきました。先ほど、大村委員からもお話があったように、スタートの時点から補助率を変えて、より利用しやすいように変えておりますので、できれば、この補助率の中で、継続性といったところを何とか地元のほうで見つけていただきたいというところはあります。
先ほどもお話があったんですけども、やはりこれは地域の中で動く、移動するものですから、例えば地域の、それこそ企業さんであるとか、お店屋さんであるとか、いろんなところから、例えば助成金であるとか、広告というのも1つの手だとは思います。そういったところも利用しながら、地域の中で、少しずつでもお金を集めていただいて、企業さんにとっては社会貢献とか、そういったところの意味合いもあると思うので、そういった形で資金を集めていただいて、やっていただけると助かるなとは思っています。
実際、最初からやっておられる駒越とか、長田西といったところは、補助率75%とは言っているものの、地元でかなりお金を集められていて、75%もいかない、もっと少ない額の補助金となっているものですから、そこはまた今後、御相談させていただき、ほかのところのやり方もお話しさせていただきながら、うまく継続できるところを一緒に考えさせていただければと思います。
44 ◯寺尾委員 あと、もう1つ、この間、議論してきているのは、コースの引き方です。基本的には、
交通結節点というところが基本になっているわけですよね。もちろん、今は、その途中に病院や商店があるところは、うまく縫いながら結節点に結びつけるということで、工夫はしているわけなんですけども、コース取りというのは、基本的には地元に任せるという考え方でいいんでしょうか。
45
◯杉村交通政策課長 基本的には、地元にお任せするということで、先ほど言った
交通結節点と、ここだと大丈夫だとは思うんですけども、既存のバス路線等があるところですと、事業者さんがいるところなので、そこと被らないように注意しながら、うちのほうでもコースについて見させていただいているところでございます。
46 ◯井上(恒)委員 時間も時間ですので、難しい話を簡単に聞きます。
交通政策の問題がいろいろ議論されまして、委員会視察でも、茨城に行ったり、あっちこっち行って、もう10回近く聞いて、見てきております。
この特別委員会もそうですけれども、結構年数がたっておりまして、私が一番不思議に思うのは、どこへどうしたいのかというのが、
交通政策課、そして、特別委員会がよく分かっていない。今、モデル事業で何をする、他都市がこうしている、ああしている、見に行って、のぞきに行って、真似して、将来どこへ行くのかという目的が、しっかり形成されていないというのが、一番大きな問題だと思っております。
まず、経費の問題で、行政の負担がどれだけあるべきかというのがしっかり出ていない。よく言われているのは、静岡は
しずてつジャストラインだけだから、言いたい放題されていると他市から言われています。市営バスもありません。だから、資料2に出ていた3億円という金額が、本当に正しいのかどうか、やり方によって、そこから2割、3割切れるのではないかという議論が当然、あります。その辺が整然としていない。それが経費の部分。
あと、次のところは、利便性の問題なのか、いわゆる弱者に対する福祉の問題なのか、行政が福祉の部分でどのくらい見られる、利便性の面でどれくらい見られる、その辺のしっかりとした理論を
交通政策課が持っていない。そこのところをもっと前面に出して、ここはこうあるべきと、誰から質問されても、ちゃんと答えられるようにしていただきたいと思う。
それから、資料5に、無償運送の一覧が出ていますね。天心会とか、わらしな福祉会とか、駿府葵会とか。みんな無償で動いております。ずっと無償でいいのかどうか。先ほど、
交通政策課長から、そういう考えで、地域で動くと。それはそれで当然、いいんですけど、現在、無償でやっているところがそのままでいいのかどうかという議論もぜひしてもらいたい。やっぱり何らかの補助がなければ、いずれやめてしまうという気がしてなりません。やめないために、行政のルールづくりをしっかりしておいてもらいたい。
以上です。お答えがあれば願いますけれども、なければ結構です。
47 ◯井上(智)委員長 当局、何かありますか。ないですか。
じゃ、ほかに質問はありますか。
48 ◯栗田委員 資料3の2ページの
AIオンデマンド交通実証実験ですけれども、令和2年度に草薙地区で実証実験をやってもらったんですが、非常に好評でした。地域の方から、これはいいですね、続けてほしいなという意見が非常に多くあったんです。私もちょっとこれに乗ってみたりしたんですけど、意外と合理的かなという感じで、もちろん有償で、お金をもらってやっていたんですけど、これはあくまでも、最初から実証実験だけのつもりでやって、何かこれを参考にして、将来、続けるとか、そういうことは、現状、全く考えていないですか。
49
◯杉村交通政策課長 実験については、令和元年度から、地区も変えながら、中身も変えながら、やってきているのが現状であります。ただ、やっている地区に関しては、やはり地元の交通の問題というんですか、そういったところがあるところを選んでやっているものですから、将来的には、今のこのMaaSでどうしていくのかというところ、ほかのモードというところもあるとは思うんですけども、将来的には、何かしら考えていかなければならないという意識は、我々も持っておりますので、そこは今後の課題にはなってこようかと思います。
50 ◯栗田委員 ということは、やるか、やらないかというのは、これから協議していくというか、検討課題ということですか。一応、希望としてはそういうのがあるということだけは理解しておいてほしいなと。非常にいい実験だったと、私も聞いていますので、よろしくお願いします。
51 ◯井上(智)委員長 ほかにありますか。
〔「ありません」〕
52 ◯井上(智)委員長 ほかにないようですので、質問を打ち切ります。
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53 ◯井上(智)委員長 次に、会議順序2の次回の会議内容等についてです。
前回の委員会で、地元で取り組んでいる
地域交通弱者対策事業の御紹介や、
一般社団法人静岡TaaSが今年の12月末まで行っている月額定額乗り放題タクシーサービスの実証実験について調査研究したらどうかなどの御意見をいただきました。
そこで、提案ですが、次回の委員会では、各地域や
民間事業者が行っている
交通弱者対策に関する取組について、現地視察や意見交換などを行うというのはいかがでしょうか。
〔「異議なし」〕
54 ◯井上(智)委員長 それでは、次回の委員会は、各地域や
民間事業者が行っている
交通弱者対策に関する取組について、現地視察や意見交換などを行う方向で準備を進めてまいります。
今後、調整を進めてまいります。
開催日等につきましては、後日、事務局を通じて調整させていただきますので、御承知おきください。
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55 ◯井上(智)委員長 本日の協議事項は以上となります。
これをもちまして、本日の特別委員会を閉会いたします。
午後3時散会
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総合交通政策特別委員長 井上 智仁
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